テクノストラクチャー工法とは?メリットとデメリットを解説

  • テクノストラクチャー工法って何?
  • 他の工法と比較して何が違うの?
  • 費用はどれくらいかかるの?

このように思っている人は多いのではないでしょうか?

まだ考案されてまもない工法なので、建築業界で働いている人でもなければ、よくわからないのは無理もないでしょう。

本記事ではテクノストラクチャー工法の概要やメリット、デメリットなどを解説します。

同工法に関してよく知りたい人はぜひ参考にしてください。

テクノストラクチャー工法とは?

テクノストラクチャー工法とは、「テクノビーム」と呼ばれる梁を使って住宅を建てる技術のことです。Panasonicによって考案されました。

テクノビームは、木材と鉄を融合して作られています。木材のしなやかさを保ちつつも、鉄ならではの頑丈さを持ち、高い耐震性を発揮します。

テクノビームの実例。(引用:Panasonic-特徴

従来、木製の「梁」は、縦からの圧力に強く、横からの圧力には弱いという弱点がありました。しかし鉄が組み合わさったことによって、横からの圧力にも耐えられるようになったというわけです。

またPanasonicによれば、木材の形を削り取って継ぎ合わせるための「切り欠き」という加工も、できる限り減らしているとのこと。代わりに強じんな接合金属部品を使用し、より高い強度を保てるように工夫しています。

テクノストラクチャー工法のメリット

テクノストラクチャー工法がどのようなものか簡単に解説しました。これ以上詳細に解説するとなると、専門的な建築学の知識が必要になるので、あえてここでは言及しません。

代わりに、私たちにとってより重要であろう、「テクノストラクチャー工法ならではのメリット」に関して解説します。

  • 耐震性が高い
  • 間取りの自由度が高い
  • 加盟店が施工する
  • 耐用年数が長い

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

耐震性が高い

テクノストラクチャー工法が持つ最大のメリットは、何といっても耐震性が高いことです。

先ほど触れたようにより頑丈なテクノビームを使用するため、地震時の揺れを大きくおさえられます。地震による被害を最小限におさえれるでしょう。

実際、Panasonic公式サイトでは、テクノストラクチャー工法によって建てられた住宅に住むオーナーがその耐震性を高く評価していました。

先の熊本地震や大阪北部地震に際しても大きな被害がなく、「食器一枚割れなかった」とする声もあります。

間取りの自由度が高い

間取りの自由度が高いのも、テクノストラクチャー工法のメリットといえるでしょう。

テクノビームを採用したことにより、一般的には耐震性の面から回避されがちな、思い切った間取りを実現できます。

たとえば吹き抜けやスキップフロアなどですね。全体的に柱の本数を減らし、使用できる面積を増やすといったことも可能でしょう。

このように耐震性を維持しつつもデザイン性も追求できるのは、テクノストラクチャー工法ならではのメリットです。

加盟店が施工してくれる

テクノストラクチャー工法が安心して用いられる理由として、Panasonic加盟店によってのみ施工がなされる点が挙げられます。

テクノストラクチャー工法は、決して簡単な工事ではありません。ゆえにPanasonicが独自の審査基準を設けており、それをクリアした加盟店にのみ、同工法による施工を許可しています。

これによりテクノストラクチャー工法がきちんと実施される体制が整えられています。少なくとも、信用材料のないハウスメーカーや工務店と比較して、ミスや手抜きなどが生じる可能性は低そうです。

テクノストラクチャー工法のデメリットとは?

テクノストラクチャー工法のデメリットとしては、一般的な木軸組工法と比較して、やや費用がかかりやすい点が挙げられます。

テクノストラクチャー工法を採用する場合、建物の設計作業がやや複雑になり、通常よりも高価な原材料(主に鉄)が必要となります。

これがテクノストラクチャー工法のデメリットといえるでしょう。ただし耐震性をはじめとしたそれ相応のメリットがあり、また費用に関しても設備のグレードを調整するなどして対応することは可能です。

テクノストラクチャー工法に関するよくある質問

本記事ではテクノストラクチャー工法に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。

  • テクノストラクチャー工法で家を建てると後悔する?
  • 倒壊するおそれはある?
  • テクノストラクチャー工法で建てた家は寒い?
  • 住宅で使われることはある?

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

テクノストラクチャー工法で家を建てると後悔する?

結論からいうと「テクノストラクチャー工法であることに後悔した」という声は、ほとんど聞かれません。

ただし工法とはまったく関係ない部分、たとえば「窓はもっと大きくすればよかった」「キッチンが狭すぎた」といった部分に後悔する人はいます。

よって重要なのは、間取りや導線、デザインに後悔が残らないよう、きちんと検討を重ねることが大切だといえるでしょう。

倒壊するおそれはある?

地震が自然現象である以上、起こり得ないとは断言できません。しかしテクノビームの採用など、倒壊が起こらないように最善の努力がなされているのは事実です。

また地震に対する強さを示す指標である「耐震等級」から見ても、テクノストラクチャー工法で建てられた住宅は、地震に強いと判断できます。

耐震等級は1から3の3段階。うちテクノストラクチャー工法は、最高等級にあたる耐震等級3に該当します。これは、数百年に一度にしか発生しない大地震があっても、多少の修繕を実施すれば原状回復できる、というレベルです。

テクノストラクチャー工法で建てた家は寒い?

おそらく、断熱性に配慮していない住宅と比較して、冬は暖かく夏は涼しいと考えられます。

テクノストラクチャー工法の最大の強みは、テクノビームによって高い耐震性を有している点です。

一方で断熱性を高めるために、「テクノあったかパネル」と及ばれる特殊な断熱パネルを使用しています。さらに断熱材の劣化を防ぐための結露対策も充実しており、長年にわたって「冬は暖かかく、夏は涼しい」という状態を維持できるように工夫されています。

したがって、断熱性に十分な配慮がない住宅と比較すれば、テクノストラクチャー工法によって建築された家は快適な室温が保たれているといえるでしょう。

非住宅で使われることはある?

結論からいうと、非住宅で使われることもあります。Panasonic公式サイトにて、テクノストラクチャー工法が非住宅の建設で採用されているようすがアップされています。

まとめ

本記事ではテクノストラクチャー工法に関して解説しました。

テクノストラクチャー工法は、Panasonicが考案した、すぐれた住宅建築のアプローチです。

木材と鉄を組み合わせた建材を活用し、地震に強く、耐久性の高い家づくりに貢献しています。

構造が頑丈になるため、間取りの自由度が広がったのも大きなポイントです。吹き抜けをはじめとした、高度な間取りも実現できるでしょう。

テクノストラクチャー工法によって建てられた住宅に関しては、熊本地震や大阪北部地震に遭って、ほとんど損害を出さなかった、といった評価も与えられています。これは地震大国である日本において非常に大きな意味を持つでしょう。

家づくりを考える際は、テクノストラクチャー工法の存在を、ぜひ念頭に入れておきましょう。