はじめてのリフォーム!|業者の種類や選び方のポイント
「外壁の塗装が経年劣化してきた」「システムキッチンを交換したい」「子どもも自立したし、老後のために平屋のバリアフリーに改築したい」といったように、マイホームのリフォームを考えるタイミングは人それぞれです。
リフォームは、住宅に長く快適に住み続けるためには、必ず必要になってきます。その際に重要なのが「信頼できるリフォーム業者に依頼すること」です。今回はどのようなリフォームがあり、どんなリフォーム業者を選ぶべきなのか、注意点を踏まえながらお伝えしていきます。リフォームをお考えであればぜひ参考にしてください。
Contents
1. リフォーム時期の目安を知っておこう!
マイホームのリフォームを考える人のおよそ半数が、「住宅設備が古くなったから」「建物自体が古くなったから」と答えています。快適に暮らしていくためには、不具合が生じた場合、どうしてもリフォームが必要になってくるのです。それでは、どのくらいの時期がリフォームのタイミングなのでしょうか?
リフォーム時期の目安
- 水回り 給湯器の交換「10年」、システムキッチン、トイレ、システムバス、洗面台などの交換「15年」
- 内装 クロス、畳の張替え「10年」、床の補修「15年」、フローリングの張替え「20年」
- 外装 外壁、屋根の塗り替え「10年」、外壁の張替え、屋根の全体的な補修「20年」
これらはあくまでも目安なので、環境によっては不具合がもっと早く出てくる可能性はありますし、ていねいにメンテナンスをすることで、もっと長持ちする場合もあります。
ただし不具合が出てきたにもかかわらず放置しておくと劣化が進行し、大規模な工事を要するケースもありますので、その都度迅速に補修、修理、交換などをしていくのがベストです。
どんな設備でも経年劣化はしますから、必ずリフォームするタイミングは訪れます。新築から10年~15年という時期は、いろいろリフォームしていくことになりますので、そのための蓄えも事前にしておくと良いでしょう。
2. リフォームしたい!何から始めたらいいの?
まずは「何をどうリフォームしたいのか」という点を明確にしていきましょう。その際には「専門誌」、「カタログ」、ネットの「リフォーム施工事例」などを参考にすると、新しい機能や設備、価格などイメージしやすくなります。
実際にリフォームすることになると、リフォーム業者の担当者に相談することになりますので、
必要な項目はメモを取るなどして書き残しておくのが良いでしょう。
ちなみに、リフォーム工事の際に、足場が必要な場合は、足場代だけでも20万円前後の費用がかかります。
外壁の塗り替えをする際は、屋根の補修の必要がないかも確認し、必要に応じて一緒に行うなど、なるべくまとめてやってしまうのがコストを抑えるコツです。
「ついでにこのタイミングでリフォームしておくべき箇所はないかも探しておく」というのが良いのではないでしょうか。
3. リフォームの流れ
リフォームのイメージが固まったら、いよいよリフォーム業者に相談し、「どこをどうしたいのか」という点をはっきりと伝えていきます。
その際、リフォームカタログなどで、イメージと情報を明確に共有するのが、認識のズレを生まずにスムーズにリフォームを進めるためのコツです。
認識のズレは後々、完了してからのトラブルになる可能性がありますので注意しましょう。
続いて「見積もり」を作成してもらい確認します。その後、「契約」という流れになりますが、見積もりは、必ず数社に依頼して比較するのがベストです。
この場合「安さ」を追求するのではなく、「妥当な価格設定なのか」「どこまで詳細に記載されているのか」が、『優良な業者』を見極めるポイントです。
併せて「アフターフォローがどういう仕組みなのか」もよく確認しておいてください。
契約が済むと、着工準備に入りますので、近隣住民にその旨の挨拶をし、長期間工事の場合は仮住まいの手続きや引っ越しの準備も必要になるでしょう。
リフォームの内容によって工事期間は変わってきますが、目安としては、キッチンやお風呂で3日以上、洗面台やトイレであれば1日、フローリングの張替えで3日以上、外壁張替え・塗り替えだと2週間以上、屋根の修繕でも内容によっては2週間くらいが目安です。
ただし、たとえばシステムバスの設置の際に、周辺の腐食が進行していることが発見されたら、その補修作業も行うことになります。
住宅の状況によっては、工期が伸びることも想定しておきましょう。
完成すると、「完了検査」を行い、「引き渡し」です。完了検査は必ずリフォームした箇所を業者と一緒に確認し、気になる点は、必ずその場で質問するようにしましょう。
4. リフォーム工事によるトラブルが多発
リフォームをする際に、「イメージをしっかり業者に伝える」ということはもちろん大切ですが、相談する相手、つまり「リフォーム業者が優秀かどうか」「信頼できる業者かどうか」という点が大前提となります。
消費生活相談には、2015年から2018年にかけて毎年6000件以上のリフォームによるトラブルの相談が寄せられています。これは「訪問販売によるリフォーム工事」の苦情件数ですが、相談センターを利用していない人もいるでしょうから、実際はもっともっと被害者はいるはずです。
トラブルの内容は、
- 工事が予定通りに始まらない・進まない
- 不明確な見積書による高額な追加料金の発生
- 手抜き工事による不具合
- アフターサービスがまったく行われない
など、さまざまですが、「訪問販売によるリフォーム工事はトラブルが多い」という点はぜひ知っておいてください。
当然ですが、依頼する側がどんなに準備をしたとしても、悪徳業者に依頼してしまえば、満足度の高いリフォームはできません。日ごろから評判の高いリフォーム会社を調べておき、そういった信頼できるリフォーム会社に依頼することがとても重要です。
よくある訪問販売の悪質な手口
アポなしで担当者が現れ、「無料点検をします」と言って、屋根や外壁を調べ、他の家の写真を見せた上で、「この状態では危険なのですぐにリフォームした方がいいです」と恐怖心を与えながら契約を迫ったり、なかには、家主の目を盗んで屋根や外壁を壊したりして、それを写真に撮って見せるという業者までいます。
どんなに契約を迫られても、その場で契約するということは絶対に避けてください。
心配になった場合は、信頼できるリフォーム会社に点検を依頼し、見積もりを立ててもらうようにしましょう。
【参考資料】
消費生活相談データベース(PIO-NET)に寄せられた相談件数の推移
訪問販売によるリフォーム工事※
年度 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
---|---|---|---|---|
相談件数 | 6,768 | 6,595 | 6,384 | 6,686(前年同期 5,958) |
点検商法
年度 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
---|---|---|---|---|
相談件数 | 5,822 | 5,727 | 5,415 | 5,291(前年同期 5,078) |
相談件数は2019年3月13日現在(消費生活センター等からの経由相談は含めていません)
※ここでは、「屋根工事」「壁工事」「増改築工事」「塗装工事」「内装工事」の合計を「リフォーム工事」としています。
5. リフォームは建設業許可のある会社が安心
リフォーム工事にこのような悪徳業者が多い背景には、リフォームの工事費が、「500万円未満であれば建設業の許可が不要」になっているからです。そのため、知識や専門性に乏しい業者が横行しているのです。
こういった悪徳業者は「安さだけが売り」で、工事後にもさまざまなトラブルやクレームがあるためホームページなどは作成していません。訪問販売をしている業者の多くはここに該当します。
リフォームの平均工事費用は610万円ですので、その場合は建設業許可のないリフォーム会社は施工できません。500万円に満たない小規模なリフォームでも、建設業許可を受けているリフォーム会社に依頼する方が安心です。信頼できるリフォーム会社選びのポイントとして、「建設業許可」を受けているかどうかという点にも注目してください。
6. リフォームを依頼できる業者とは?
それではリフォームを依頼できる業者にはどのような種類があるのでしょうか?実は選択肢はいろいろとありますので、ご紹介していきます。
① リフォーム専門業者
独自の手法や職人との繋がりがあり、業者によって強みは大きく異なります。大手のハウスメーカーと違い知名度は高くありませんので、どこを判断基準にして決めればいいのかが難しいところです。
② ホームセンターや量販店
設備機器を大量仕入れしているためコストダウンを狙えます。低価格リフォームとしては魅力的ですが、実際の施工は提携業者が行います。そのため、本当に信頼できる施工会社が担当するのか、やや不透明なところがあります。
③ ハウスメーカー
知名度が高い大手のハウスメーカー・住宅メーカーですので、ブランド力があり、そこが安心感を生み出しています。設計士やデザイナーも豊富に抱えているのもメリットのひとつですが、営業費や広告費にお金をかけているため、工事費が割高なのがデメリットです。
④ 設計事務所・建築事務所
有名な建築家にリフォームを依頼するという方法もあります。テレビ番組などでは有名です。ただし、設計とは別に施工会社を探す必要があり、人気の建築家であれば半年以上待たなければならないといったケースもあります。
⑤ 地元の工務店
①~④の業者に共通するのは、実際の施工は下請け業者や提携業者がおこなうということです。リフォームは、職人の質で決まると言っても過言ではありません。その点、工務店では職人や工事現場の管理まですべてを自社で行っています。何を基準に「信頼できる工務店」を判断するのかが難しいところですが、施工の質を確かめた上で依頼し、コストの削減と工事の質を両立することができます。
7. リフォームの種類|取り換え工事から大規模リフォームまで
続いてはリフォームの種類についてです。ひと口にリフォームと言っても、住宅設備の入れ替えからフルリフォームまで多岐に渡ります。リフォームの種類を大きく4つに分けてご紹介していきます。
① 水回りリフォーム
主に設備機器の交換です。システムキッチン、システムバス、トイレ、洗面台、給湯器などは、一般的な耐用年数が10年~15年と言われています。壁付から対面式など、キッチンの入れ替えの際にレイアウトを変更するリフォームは、それに伴い水道管の配置変えなどが発生すると大がかりな工事になります。
② 外装リフォーム(屋根、外壁、エクステリア)
外壁の塗装や張替え、屋根の修繕や張替えの他、庭やテラス、カーポートなどの外構工事をするエクステリアリフォームもあります。防犯カメラを設置したり門構えを高くするなどといったクローズドスタイル、門やフェンスを設けないオープンスタイルがあります。
③ 内装リフォーム
壁紙、クロス、畳、フローリングといった張替えのほか、老後に備えてバリアフリーにしたり、収納スペースを確保するといったものも内装リフォームに含まれます。
④ 増改築・フルリフォーム
耐震工事や、間取りの変更などの増築・減築は大がかりな工事になってきます。基礎のみを残して解体して丸ごとリフォームするケースもあり、スケルトンリフォームとも呼ばれています。
8. よくあるリフォーム工事の価格相場について
実際にリフォームをするとなると、「どのくらいの費用になるのか」といった点も気になるところです。イメージしたリフォームが大幅に予算オーバーであれば変更せざるを得ないことになります。ここでは一般的な「リフォーム工事の価格相場」についてお伝えしていきます。
① 憧れの対面式システムキッチンにしたい!
キッチン全体が島のように独立したものを「アイランド型」と呼び、工事費用は200万円ほどが目安になります。片側を壁にくっつけて半島のように飛び出しているキッチンは「ペニシュラ型」と呼ばれ、100万円ほどでリフォームすることができます。
② 足が伸ばせる1坪タイプのシステムバスにしたい!
1坪タイプのシステムバスの交換、工事の目安は100万円です。もちろんヒノキ製の浴槽など、設備にこだわれば200万円以上することもありますが、お風呂をリフォームする人の7割以上が140万円以内でリフォームをしています。
③ タンクレスの洗浄便座付きトイレにしたい!
トイレの交換は30万~40万円が目安です。タンクレスの専用洗浄弁式で、温水洗浄便座付きのトイレに交換しても40万円から50万円以内です。
いずれも費用の大半が便器代ですので、旧機種など、いわゆる型落ちのものを選ぶことでコストダウンできます。
④ 玄関を開き戸から引き戸に変えたい!
玄関のリフォームの目安は30万~50万円です。開き戸から和風の引き戸に交換することも可能ですし、防犯対策のできるオートロックやキーレスエントリーに交換するなどもできます。
⑤ 太陽光発電&蓄電池でもしもに備えたい!
近年は、災害時の対策として、太陽光発電や家庭用蓄電池の設置を検討されるご家庭が増えています。太陽光発電であれば規模にもよりますが、30万円ほどが目安です。蓄電池の設置は本体価格と工事費でさらに150万円程度の費用が必要となります。
⑥ 安心に暮らせるよう耐震リフォームがしたい!
耐震パネルの設置などで外壁を補強する程度であれば100万円ほどで耐震リフォームは可能ですが、基礎の補強や屋根の軽量化など大規模工事になると100万円以上になります。ただし、1981年以前の建物だと新耐震基準を満たしておらず、全面的な工事になるかもしれません。
こちらは耐震診断によってかなり価格が変わってきます。
9. リフォーム業者を選ぶ際のポイント
リフォーム工事を、「どこに依頼すればいいのだろうか?」と悩まれる人は多くいらっしゃいます。
ここで、「大手ハウスメーカーなら、とりあえず安心」と即決してしまうケースもありますが、
それは少しもったいないかもしれません。
ここではリフォーム業者を選ぶ際のポイントについてお伝えしていきます。
① 職人の腕
どんな業者を選択したとしても、共通するのは「実際にリフォームするのは、現場の職人」だということです。ですから、経験や技術力のある職人にお願いできるのかどうかが重要です。
これまでの施工実績や現在進行中の施工現場を確認することがおすすめです。
② 施工実績
リフォーム業者によっては、設備機器の交換には強くても、塗装などの補修工事は苦手といった得意・不得意がはっきりしている場合があります。
とくに、フルリフォームなどの大規模なリフォーム工事の場合は、ホームページなどで、イメージに近い住宅リフォームの実績があるのか確認しましょう。
③ 保証
新築の場合は引き渡しから10年間の保証が品確法で定められていますので、何か不具合があっても無料で修理してくれますが、リフォーム工事の場合は、品確法の対象ではないため、業者によって保証内容にバラつきがあります。
ですから事前に、「どんな時に」「どんな状態を」「どう保証してくれるのか」といったことを
担当者としっかり確認しておいてください。
まずはシステムキッチンやシステムバスといった設備機器の保証ですが、こちらは商品保証が付いているはずです。目安としては給湯器であれば1年、システムキッチンやシステムバスであれば2年です。別途料金を支払うことで保証期間を延長することも可能です。
施工会社の工事の保証は、設備機器とは別で、依頼者と施工会社の契約が必要です。保証の目安は、内装であれば1年、外壁だと10年といったところでしょう。10年保証をアピールしているリフォーム会社であっても、大切なのは、「何を」「どう保証」してくれるかです。
10年保証という広告だけを鵜呑みにするのではなく、必ず詳細を確認し、書面に残すことが大切です。
10. こんなリフォーム業者にはご注意を!
リフォーム工事で起こり得るトラブルを事前に知っておいて損はありません。また、リフォーム業者選びに失敗すると、トラブルのリスクがさらに高まるので、業者は慎重に選ぶことが重要です。そんななかで、「絶対に避けた方がいいリフォーム業者」についてご紹介いたします。
① 大幅値引きをする業者は危険
大がかりなリフォーム工事になると費用が高額になりますので、「なるべくコストダウンしたい」と思うのは当然です。
しかし、「少しでも安いリフォーム業者にお願いしたい」ということで、費用だけを基準にリフォーム業者を選ぶのはおすすめできません。
なぜなら、リフォーム業界において相場を大幅に下回るような価格設定をする業者は、往々にして安かろう、悪かろうだからです。
よくあるケースのひとつが、「すぐに契約してくれるなら、ここから40%値引きします」といった大幅な値引きで契約を急かすリフォーム業者です。
ここで注意しなければならないのは、これはセールストークの常套手段で、これだけ値引いても利益が出るということは、単にもともとの見積もりが不当に高すぎるだけという点です。
なかには他社の見積もりを見て、値引く場合もあるでしょう。
見積もりが曖昧かつ適当な場合、実は話に聞いていた材料より安価なものを使用されていたり、
手抜き工事で完了したりといったトラブルが発生しやくなります。
後日になって不具合に気づいて相談すると、追加料金を請求されることもあります。「大幅に値引くリフォーム業者は危険」という認識は必要です。
② キャンペーンをする業者は危険
同様な手口で「キャンペーン中だから安くできる」と持ちかけてくるリフォーム業者も危険です。よくあるケースでは「モニター募集中で、費用を半額にできる」といったものです。
「半額キャンペーン中」というのも怪しいです。
品質や安心感、信頼感よりも費用を抑えることを重視すると、こういった悪徳業者に標的にされるリスクが高まりますので、リフォームする際の一番のポイントは、「どれだけ親身に対応してくれるのか」「質の高いリフォームを提供してくれるのか」という点です。
ホームページから「実績を見る」「お客さんの感想(口コミ)を確認する」といった情報収集は最低限行い、いくつかの候補に絞ってから見積もりを数社に出してもらって比較します。「見積もりがどれくらい詳細なのか」「担当者がどのくらい親身に対応してくれるのか」といった点も重要な判断材料になります。
「家族に相談する前にすぐに契約した方がいいです」と契約をとにかく迫ってくるようなリフォーム業者は絶対に避けた方が良いでしょう。
11. まとめ
マイホームは、多く方にとって人生で最も高価な買い物になります。そのマイホームで長く、快適に暮らしていくためには定期的な点検やメンテナンスが重要です。
「いつ、どんなリフォームをすればいいのか?」と悩まれている場合はお気軽に当社にご相談ください。
株式会社レジェンドホームでは、地域に密着し、親身な対応で皆様に満足していただけるリフォームをご提供させていただいております。ぜひ大切なマイホームをリフォームして、今まで以上に笑顔あふれる暮らしをお過ごしください。
記事監修/大久保明彦(おおくぼあきひこ)
- 株式会社レジェンドホーム 代表取締役
- 宅地建物取引士
住まいで成功するには、注文住宅と不動産の2つの事業を柱にすることが必須と考え、建築と不動産の両方を強みとする事業を作り上げた。
「真実一路、全てはお客様の笑顔のために」をモットーに、創業以来、地域に密着した住まいづくりをしている。