平屋の勾配天井とは|メリット・デメリットや後悔しないためのポイント、施工実例も紹介
平屋を検討して、「勾配天井とは?」と疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
天井勾配には「開放感を演出できる」など多くのメリットがありますが、後悔を感じるケースもあるため、注意点を踏まえて検討することが大切です。
本記事では、茨城県で数多くの注文住宅を手掛けるレジェンドホームが、平屋の勾配天井の特徴やメリット・デメリットを解説します。
このコラムのポイント |
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Contents
平屋の勾配天井とは
平屋の「勾配天井」とは、屋根の勾配に沿って斜めにつくられた天井のことで、「傾斜天井」と呼ばれるケースもあります。
平屋は2階部分がないため、どのスペースでも勾配天井を取り入れやすく相性がいいのが特徴です。
なお、勾配天井は平屋のほかにも、2階にリビングやダイニングを設ける際にも見受けられます。
平屋に勾配天井を取り入れて高さを出すと、空間に余裕が生まれるのでロフトやスキップフロアを取り入れることも可能です。
平屋とスキップフロアの相性については、こちらの記事で解説しています。
>関連リンク:平屋とスキップフロアの相性は良いのか|活用方法や実例も徹底解説
平屋に勾配天井を取り入れるメリット
>施工実例 建築家と建てる注文住宅|茨城県常総市 K様邸(平屋)
ここでは、平屋に勾配天井を取り入れるメリットをご紹介します。
1つでもメリットだと感じたら、勾配天井を検討してみましょう。
開放感を演出できる
通常のフラットな天井と比較すると、勾配天井は高さがあるので吹き抜けのように開放感を演出できるのが魅力です。
具体的には、平均的な天井高が2.4m前後とされているのに比べて、平屋の勾配天井は最も高いところで4m以上の高さとなるケースもあります。
1階にすべての部屋を集約する平屋はそれぞれのスペースが限られる場合もありますが、勾配天井を取り入れることで視覚的に広く感じやすいのもポイントです。
また、LDKに勾配天井を設けると、開放感のあるゆったりとした空間でご家族の時間を過ごせます。
日当たりを確保しやすい
勾配天井を利用して高窓を取り入れる場合、高い位置から効率よく採光することで明るい空間を実現できます。
隣家が近いなど採光するのが難しい平屋では、勾配天井と高窓で日当たりを確保するのも方法の1つです。
また、高窓ではなく勾配天井に天窓を設けて採光する選択肢もあります。
高窓や天窓は外からの視線が気になりにくく、のぞかれる心配もないためプライバシー保護の点においても安心です。
換気効率がよくなる
勾配天井の高窓と低い位置の窓を同時に開けると、空気の流れが生まれるので効率よく換気できます。
日当たりと同様に、平屋の周辺が建物に囲まれている場合にも高窓によってスムーズに換気でき、快適に過ごしやすいのが魅力です。
空気の通り道ができれば、室内に湿気がこもるリスクも軽減でき、カビの発生も防げます。
「通風性・採光性が高く、過ごしやすい平屋にしたい」と考える方に、勾配天井がおすすめです。
ロフトやスキップフロアを設置できる
勾配天井で空間に高さを持たせることで、ロフトやスキップフロアを設置できます。
ロフトやスキップフロアの活用方法は、以下のとおりです。
- 収納スペース
- 仕事や学習スペース
- 子どもの遊び場
- 寝室
加えて、ロフトやスキップフロアは空間のアクセントとなるため、おしゃれな雰囲気に仕上げられます。
平屋に勾配天井を取り入れるデメリット
続いて、平屋に勾配天井を取り入れるデメリットを解説します。
メリットとデメリットを比較しながら、チェックしていきましょう。
掃除やメンテナンスの手間がかかる
勾配天井を設けた平屋では、天井付近の高窓や照明器具の掃除に手間がかかるのがネックです。
高窓や照明器具の掃除頻度が落ちると、ホコリが溜まったり、カビが発生したりして美しい状態をキープしづらくなります。
また、脚立やはしごを使って掃除やメンテナンスができるものの、場合によっては専門業者へ依頼する手間や費用が発生します。
建築費用がかさむケースがある
勾配天井を取り入れる場合は、通常の天井の平屋と比較して建築費用が高くなる傾向にあります。
勾配天井のある平屋の建築費用が高くなる要因は、以下のとおりです。
- 壁が増えることで、必要な材料や仕上げ作業が増加する
- 天井を斜めにする施工が複雑で、作業難易度が上がる
- シーリングファンなどの取り付け作業が発生する
そもそも平屋は2階建てと比較して基礎や屋根の面積が多く建築費用が割高であり、勾配天井によって予算オーバーとなる場合もあるので注意してください。
加えて、将来的なリフォーム費用も踏まえておきたいポイントです。
たとえば勾配天井のある平屋では外壁や屋根のリフォームの際に足場を組む可能性があり、費用がかさむことが考えられます。
暑い・寒いと感じる可能性がある
勾配天井は天井裏スペースがなく、屋根の構造部分に断熱材を設置しますが、入れられる断熱材の量に限りがあるため断熱性が下がる場合があります。
平屋の断熱性が下がると、以下のようなトラブルが発生するので注意しましょう。
- 小屋裏空間がなく直射日光を受けた屋根の熱が室内に直接伝わる
- 外気の影響を受けやすく、室内で暑さ・寒さを感じる
- エアコンで冷たくした空気・暖かくした空気を長時間キープできない
- 冷暖房効率が下がり、エアコンが効きにくい
なお、冷暖房効率が下がると光熱費がかさむので、対策が必須となります。
平屋の勾配天井で後悔しないためのポイント
>施工実例 建築家と建てる注文住宅|千葉県野田市 N様邸(平屋)
平屋の勾配天井で後悔しないためのポイントを解説します。
ポイントを押さえて、家づくりを成功させましょう。
シーリングファンを設置して冷暖房効率を高める
勾配天井を取り入れた平屋で冷暖房効率を高めるには、「シーリングファン」の設置がおすすめです。
シーリングファンによって空気を循環させることで、室内を均等に温度調整できるようになります。
シーリングファンのそのほかのメリットは、以下のとおりです。
- デザイン性の高い製品が多く販売されており、内装のテイストに合わせられる
- 湿気が滞留するのを防ぎ、カビが発生しにくくなる
- 空気の流れができるので、空気清浄機の効果アップを見込める
掃除やメンテナンスの手間を軽くするためにも、電動昇降式のシーリングファンを選びましょう。
断熱性にこだわって家づくりを進める
断熱性にこだわって家づくりを進めると、開放感と快適性を兼ね備えた勾配天井のある平屋を実現できます。
平屋に勾配天井を設ける場合、以下の断熱対策を検討しましょう。
- 断熱性の高い建材を使用する
- トリプルガラスや樹脂サッシなど、断熱性に優れた窓を採用する
- 断熱仕様の玄関ドアを選ぶ
ただし、高い断熱性を持った建材や製品を使用すると費用が高くなりやすいので、予算とバランスをとりながら家づくりを進めることが大切です。
勾配天井を取り入れる旨を施工業者に伝える際に、「断熱性にもこだわりたい」と伝えておきましょう。
照明・窓の掃除やメンテナンス方法を考えておく
平屋に勾配天井を取り入れる際は、照明・窓の掃除やメンテナンス方法をあらかじめ考えておくと、「手入れが面倒に感じる」といった後悔を回避できます。
照明と窓のメンテナンスを軽減する方法は、以下のとおりです。
- 照明は長寿命のLEDを採用する
- ほかのリフォームの際に照明交換も依頼する
- 高窓用のモップやワイパーで掃除する
天井付近の照明・窓を脚立などを使ってご自身で手入れする場合は、高所の作業となるため無理のない範囲で実施しましょう。
平屋に勾配天井を取り入れた施工実例
最後に、レジェンドホームが手掛けた平屋に勾配天井を取り入れた施工実例をご紹介します。
施工実例をチェックしながら、勾配天井のイメージを膨らませましょう。
板張りの勾配天井を取り入れた実例
>施工実例 建築家と建てる注文住宅|茨城県常総市 K様邸(平屋)
こちらは、平屋のLDKに板張りの勾配天井を取り入れた実例で、メリハリのあるおしゃれな雰囲気にまとめています。
見せ梁によって空間に立体感が生まれており、より広く感じられるのもポイントです。
また、高窓を設置することで効率よく採光し、明るいLDKを実現しています。
勾配天井で開放感あふれるLDKを叶えた実例
>施工実例 建築家と建てる注文住宅|千葉県野田市 N様邸(平屋)
こちらは、横長のLDKに勾配天井を取り入れることで、開放感あふれるLDKを叶えた実例です。
見せ梁は内装と同じホワイトを採用しており、空間に一体感が生まれています。
また、多くの掃き出し窓を取り入れているため眺めがよく、外とのつながりを感じられるのも特徴です。
長方形平屋の間取りの特徴については、こちらの記事で解説しています。
>関連リンク:長方形間取りのおしゃれで機能的な平屋|30坪で家族向けの動線や収納に優れた空間実例
勾配天井と天窓を組み合わせている実例
こちらは、勾配天井と天窓を組み合わせている実例で、日当たりを確保しやすいのが特徴です。
内装の配色はホワイトを基調とすることで、さらに明るさを感じやすくなります。
天井が高い空間を活かしてスキップフロアを設けており、空間を有効活用している点もポイントです。
スキップフロアをセカンドリビングとして活用している実例
>施工実例 建築家と建てる注文住宅|茨城県守谷市 K様邸(平屋+アルファ)
こちらは、勾配天井で空間に高さを持たせてスキップフロアを設置し、セカンドリビングとして活用している実例です。
セカンドリビングはメインのリビングとゆるやかにつながっており、家族の存在を感じながら過ごせる居心地のいいスペースを実現しました。
天井付近にはサイズの小さな高窓を多く取り入れているので、明るさを感じやすいのも魅力です。
平屋のおしゃれな間取り実例については、こちらの記事でご紹介しています。
>関連リンク:平屋のおしゃれな間取り実例7選|メリット・デメリットや住みやすくするためのポイントも紹介
まとめ
平屋の「勾配天井」とは、屋根の勾配に合わせて斜めにした天井を指します。
平屋の勾配天井には日当たりを確保しやすいなどのメリットがある一方で、掃除の手間がかかるといったデメリットもあるので前提に家づくりを進めましょう。
今回ご紹介した内容を、平屋の勾配天井を検討する際の参考としていただけると幸いです。
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